『君の名は。』を純粋に楽しめなかったぼくはもう童貞じゃないということを悟った。

君の名は

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先々週くらいに話題の映画『君の名は。』を見てきたのですが、いやー、これがまたぼくには合わなかった。

その時のツイートがこちら。

映像とか演出はすごく素敵

さすがは新海誠、あの映像美はまさに圧巻のひとことです。

いくらデジタルとはいえ、あそこまで精細につくり込まれた画を映像として流してしまうのですからバケモノですよ。

一コマひとコマをじっくりと舐め回したいくらいです。ついでにヒロインの三葉(みつは)ちゃんも一緒に舐め回したい。そうスダは思いましたね。ええ。

そして演出。

新海誠の作品は正直全然知らなくて、これ以外に見たことあるのは『秒速5センチメートル』しかありません。そして、やはりその時も感じたのが音楽の使い方がすごくうまいなということ。

秒速の時は山崎まさよしの「One more time,One more chance」でしたが、これまたなんと言いますかすごく良かった。

当然今回の『君の名は。』も良かった。

ぼくはRADWINPSのこと別に好きでも嫌いでもないんですけど、メインテーマの「前前前世」が劇中で流れたときは鳥肌が立ちましたね。

最初の簡単なオープニング演出もよかったんですけど、やはりメインテーマは気合の入れようが違かった。

この演出を見るために『君の名は。』を見てもいいんじゃないかと思えるくらいです。

逆を言えば、ぼくにとってはそこがピークであり、後にも先にもそれだけでした。

「イカ臭い童貞が喜びそうなアニメ」

『君の名は。』公開前にこんな記事がネットで話題になったのをご存知でしょうか。

「新海誠はイカ臭い童貞が喜びそうなアニメ」っていうひとことが言いたくて言えなくて震えていた件

今この記事で書かれていることがすごく身に染みています。

“映像に期待をしているが故に、それに付随してくる物語も自分の期待値に応えてくれるだろう”という謎の安心感。

愚かながら、ぼくはその根拠のない謎の安心感にこの身をすべて預けてしまったのです。

共感の出来ないキャラクター

24歳のぼくが高校生の主人公たちに共感なんて出来るワケもなく…

キャラクターたちのテンションが若すぎた。

こればっかりは誰も悪くないよ。

疑問の多すぎるストーリー

三葉のお父さんの設定とか、どうして入れ替わる先が瀧くんなのか(東京のイケメンになりたかったから?)、瀧くんのバイト先の先輩とか必要だった?とか、なんで山頂で三葉は消えちゃったのとか、結局最後はあのセリフが言いたかっただけなんじゃないの?とか、そもそもどこに惚れる要素があったの?とか etc…

あと、普通はあんなかわいい女子高生に話しかけられたらもっとお喋りしたくなるだろ。

冒頭では先輩から”すぐにムキになってアツくなってしまう瀧くん(記憶が曖昧)”という説明があったのにも関わらず、かわいい女子高生に話しかけられても瀧くんの股間の小瀧くんは何故すぐにムキになってアツくならなかったのかが不思議でしょうがない。

まとめ

昔から「ちん○ちんから毛が生えたらもう大人だよ」と言われて育ってきましたが、それでもきっとこれを青春真っただ中の高校時代とかに見ていたらもっと純粋に『君の名は。』という映画を楽しめていたのかもしれません。

決して新海誠の映画が嫌いなわけではないんです。

『秒速5センチメートル』は数あるアニメーション作品の中でもかなり好きな方。

見たことのある人なら分かるかもしれないけど、秒速は”繊細な男心”が絶妙にうまく表現されている。

もちろんそう思えるのは自身の様々な体験があってこそそう言えるのだろうけど…

中には『君の名は。』は良かったけど『秒速5センチメートル』は面白くないという方もいることでしょうし、その辺は”個人の感性”という非常に便利な言葉で片づけさせてもらいます。

少なくともぼくはこの映画を通して、ぼくはもう心身ともに童貞ではなくなってしまったのだなあということを静かに悟りました。

 

あと、いいかげん宇宙→大気圏→空→雲抜ける→鳥飛んでる→大都会ドーン→電車走ってる→主人公アップみたいなカメラワークやめよう。